【創業者インタビュー】METRIKAを通じて実現したいこと

データ分析やAIを用いて、企業のやりたいことを実現していくMETRIKA。今回はCEOでありデータ分析を専門とする小林と、COOとして現場に落とし込むことを得意とする澤村が、METRIKA創業のきっかけや現在の仕事に対する想い、これからの展望を語ります。

「この人と一緒にやりたい」からはじまった

小林:METRIKAは「グレーな課題を、シロクロに。」というビジョンを掲げ(2022年1月末時点)、データ解析やAI活用を中心に、 企業の課題解決をお手伝いする会社です。最大の特徴は、データ分析だけではなく、事業への落とし込みやシステム開発までを一貫してお手伝いすることです。多くのデータ分析のプロジェクトでは、問題解決の具体施策までを期待しているのに対して、多くのデータサイエンスの会社はデータ分析にしか意識がないことが多くもどかしかったです。この問題を解決するために立ち上げたのがMETRIKAです。僕はずっとデータ分析を専門に行っていたのですが、ビジネスの立ち上げに強い澤村と一緒にチームを作ってやっていきたいと思ったのが創業のきっかけでした。

澤村:小林とは前職時代に出会い、仲良くなりました。そしたらある日突然「自分で会社を立ち上げようと思っている。澤村さんの名前をCOOの欄に書いておきました」と言われて。多少強引でしたが(笑)、そこからMETRIKAがはじまりました。

小林:もちろんやりたいことがあったから起業しようと思ったのですが、それ以上に、一緒にやってみたいと思える人がいたことが本当のスタートだったのかもしれません。僕らのやりたいことの先で、企業のやりたいことが実現し、結果として社会が前進していくと良いなと考えています。

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企業のデータを可視化し、人間の判断をサポートする

澤村:METRIKAの目指す部分は、企業にあるデータを統合し、人間の意思決定をサポートする土壌を作ることです。日系企業では今だに、KKD(経験、勘、度胸)で事業が回されている部分が多いんですよ。でもデータがあれば、AとBどちらの道に行くか迷っているときに「データからみると、Aに行った方がいい」と、最適な意思決定に必要な情報を補完できます。

小林:「最適」な意思決定には答えが1つしかないように聞こえますが、もちろん問題や部署によって「最適」は異なります。個別の最適解を得ることはできるかもしれませんが、それが何十、何百ある大きな企業だと、全てを考慮した最適化問題は複雑で解を得ることはおろか問題を設定することすら難しいです。それでもデータを使うと、今より良い方向が見えてきて、全体として「最適」な意思決定が得られると信じています。

澤村:一方で「データはAって言っているけど、Bに行く」という人間ならではの判断も間違いじゃないと思うんです。自分たちの決断を信じて進むなら、それが一番正しいことだと考えているので。データやAIの良いところと、人間の思い切りの良さをどちらも尊重することで、強い意思決定ができると思います。

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異なる領域にいた二人が、違う考え方で同じ結論に辿り着く理由

澤村:現在(2022年1月末時点)の役割分担に関しては、データ分析が小林、事業開発は僕が担当しています。

小林:と言っても、実は役割がきっぱりと別れているわけではないんです。最初に比べれば澤村のデータリテラシーも上がってきているし、僕も現場について勉強しています。お互いのやっていることが流動的に繋がっていることは、METRIKAとして結果を出せているひとつの要因だと思っています。僕ら二人が違うとすれば、データの見方は少し違うかもしれませんね。澤村は前職で現場をずっと経験しているので、データ分析を専門にやってきた僕には気づかないことが見えていたりします。データをどうやって事業に落とし込むのかを、僕が意識している以上に教えてくれるんです。

澤村:もっと言うと、データの背景がすごく気になってしまって、数字が数字に見えないんです。たとえば、営業の部署から得たデータがあるとすれば、それは営業の方々が頑張って作り上げたものですよね。そのデータを作り上げた方々が喜んでくれるような結果を、提供したいと思っています。

小林:でも実は、二人で違う見方を持っていても、意見が割れることはほとんどありません。なぜならばデータで可視化されることは、何かまったく新しいことではなく、日々の行動の積み重ねから生まれるからです。それって、現場でわかることとデータから読み取れる情報は同じなんですよね。

澤村:確かに意見は割れないですね。そこでおもしろいのは、同じ結論へと至るまでに、それぞれが違う登り方をしていることです。僕は現場を経験してきているので、考え方がどうしても現場や事業者側に寄っていきます。一方で小林は、そのときの状況や社会のトレンドのなかにその企業が存在するのであれば、こちらに行くべきだろうという考え方です。

明確なデータとフラットな視点から、業界の固定概念を変えていく

澤村:現在のクライアントさんは、製造業さんや、テレビ局さん、あとは大手の印刷会社さんや通信会社さんなど。ばらばらすぎて、どう説明したらいいのかわかりません(笑)。ひとつの領域に特化しているデータサイエンスの企業もありますが、METRIKAではあえて領域を絞らずに、さまざまな業界とお仕事をさせていただいています。僕たちのやりたいことである「企業内のデータを統合し、最適な意思決定を見えるようにする」ことは、何かの領域に特化したことではないからです。

小林:もちろん1つの業界に特化していないため毎回わからないことばかりです。でもそのときは自分で勉強したり、クライアントさんに教えてもらいながら、一緒に作り上げていきます。僕や一部の研究者にとってはデータ分析事態が目的になることもありますが、多くの場合はデータ分析はビジネスをより良くするための手段に過ぎません。クライアントさんがこれまで築きあげてきた事業に寄り添うなかで、外部の人間として「こういう風にも考えられませんか?」と提案していけると思っています。

澤村:固定概念がないからこそ、本質に迫れることがあります。ずっとその業界で働いていると「こうあるべきだ」と決めつけてしまうことが結構あると思うんですよ。でもフラットな視点からデータを見ていると「こっちのほうがシンプルかも、効果がでるかも」と新しく発見できることがよくあります。もちろん変化を起こしていくことが難しいのは重々承知ですが、クライアントさんも僕らが言うことに共感してくれることが多いです。お互いに信頼を保ちながら問題に向き合っていくので、安心感を持っていただくことができると思います。

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信頼がなによりも大事。クライアントの横に座りながら、一緒に問題解決を。

小林:クライアントさんとプロジェクトを進めていくとき、僕はデータ以上に信頼が大事だと思っています。というよりデータも、基本的に信頼がないと使わないんです。それはデータそのものへの信頼かもしれないし、データを作った人への信頼かもしれない。なのでクライアントさんと「一緒に」ということは、常に意識しています。

澤村:小林の言うとおりで、特に現場に信頼されないパートナーにはなりたくないと思っています。経営層とだけ話して上から現場に指示を伝えていくのではなく、クライアントさんの横に座って一緒に並走していける会社を目指したいと思っています。

小林:最終的に、自分が楽しくやっていることが社会をよくすることに繋がっていけばいいと思っています。クライアントさんが良くなると僕も嬉しいですし、それは小さな改善かもしれませんが、その積み重ねで日本をよくすることに貢献できると考えています。

小林 凌雅

代表取締役

CEO

小林 凌雅
慶應義塾大学で統計学や機械学習の講師を勤めながら、マネックス・アセットマネジメント株式会社での運用モデルの開発や北里大学での新しい枠組みの治験の導入などデータ分析に関連する様々なプロジェクトに携わる。2020年より京都大学データサイエンススクールにてデータ科学の実践教育の講師も担当している。
澤村 俊剛

取締役

COO

澤村 俊剛
同志社大学卒業後、パーソルキャリア株式会社 (旧インテリジェンス) に新卒入社。 戦略人事部新卒採用部において西日本採用拠点を立ち上げた後、社内第1号ベンチャー「i-common」に転籍。売上1000億円以上のメガクライアント専属のコンサルティングチームを率いる。 本社企画部門への異動後は、事業戦略・新規事業開発を担い、 デジタルとクリエイティブ領域へのサービス展開推進。