「METRIKAの何でも屋 北岡が語る、幅広いキャリアを歩んだ先にMETRIKAで成し遂げること」

METRIKAで活躍するMETRIKANはどんな人たちなのか。METRIKANのパーソナリティを紐解く連載企画第三弾の今回は、自身でもMETRIKAのなんでも屋さんと話す北岡が、これまでの異色のキャリア、仕事で大切にしていること、METRIKAで成し遂げたいことについて赤裸々に語った。

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1、お米の研究からコンサルファームへ、狭い価値観を脱したタイミング

北岡さんはご自身でもMETRIKAの何でも屋と形容されるほど幅広い領域に対応されていますよね。これまでのキャリアはどのような変遷だったのでしょうか?

私は生まれてから大学までずっと名古屋で、大学では学部生の時にお米、特に浮イネの研究をしていました。大学院では、お米から少し離れて植物の研究をしていました。

浮イネは普通の稲とは違い水かさが上がるに連れて根が伸びていくという特徴があります。カンボジアなどの降水量の多い地域でも稲が生き延びられる仕組みを遺伝子解析で特定し、米の収量が高いコシヒカリ等の品種と掛け合わせることにより、洪水地域の食料問題解決に繋げられるよう研究をしていました。

卒業後、私は農業のファームから総合コンサルのファームに移ることになります。

きっかけは大学の時に入っていたディベート部です。入学当初は、ESSという国際交流のサークルに所属していて、外国人とパーティーで交流するのがメインの活動だったのですが、もっとビジネス的な場面でやる英語をやりたいと思って、その中でディベートのサークルを立ち上げて活動していました。

ディベートはパーラメンタリーと呼ばれるイギリス議会を模した形式でして、「安楽死に賛成かどうか」とかSFチックな「人間の欲望を完全に抑えた世界と、そうじゃない世界があった場合、どちらがいいんだろう?」等のテーマがありました。当時はマレーシアや香港 等で開催された国際大会に参加をしたりもしていました。

名古屋出身の方ならわかると思うんですが、名古屋の大学生は東京の就活事情にあまり詳しくなくて、トヨタ関連会社に就職したらゴールみたいな感じでいる人も多いイメージです。私もそういう世界観で大学まではいましたが、ディベート部で、東京、京都、九州と全国各地を飛び回ったり、他国に行く中で、それだけの価値観の世界に閉じ籠っていては何も成せないなと感じるようになりました。

そして先輩から「ある程度はディベートの世界で成果も出せているので、コンサルの世界に行ってみたら活躍できるんじゃない?」と助言をもらい、当時はコンサルは何をやっているのかわからないながらも、とりあえずビジネスのことを幅広く学べそうだなという流れで総合コンサルファームに入りました。

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コンサルに興味を持った背景として、大学、大学院での研究時代の時に感じた、「興味のある領域や真理追求を、自分の世界に没頭して突き詰めたい」という感情と、「独りよがりだと虚しいだけだから、社会や世の中に影響を与えていきたい」という感情の両方を満たせそうに感じたからです。その2つの感情の間を埋めてくれるのは、個々が興味を持って「面白い」と感じられるものを資本主義の中で世のため人のためになるようにビジネスの形に落としてあげることなんだな、と感じたのもありまして。

一旦コンサルではビジネス専門性を高めるというのが当時のキャリア戦略でした。正直、外資コンサルは相当厳しいイメージかつ、就活/インターン/アルバイトにあまり触れてこず外界との繋がりが疎遠なまま閉じ籠りっきりだった自分としては、チャレンジングすぎて人生終わるかもしれないなという感覚もありました。ただ数年でクビになったとしても、他で戦えるスキルは得られるだろうと楽観視もしていました。 コンサルの仕事は次々と異なるプロジェクトの中で新しいテーマと出会えて面白かったですが、特に若手のうちは与えられたプロジェクトに左右されて自分の色が出しづらいことも多く、覚悟していたより環境がぬるかったり、やることがすでに決まりきっているプロジェクトも多く「そもそもこれをするのが正しいのだろうか?」という葛藤も多々ありまして、次のキャリアに向けて他の事にも手を出すようになっていきました。

挑戦の一つとして「異文化コミュニケーション」をテーマにした本の出版を手伝いました。

私はビジネスもアカデミアも好きなので、その双方の人を繋げられたらいいのではないかと考えて制作したものです。インドのお弁当(ダッパーワーラー)販売会社の論考を私は寄稿しています。ざっくりいうと、DXやデジタル化がもてはやされているが、地域の土地勘のある人の力を活かしてビジネスモデルを設計することで当時のITオペレーションよりも高い品質でのオペレーションが実現できる、という事例についてまとめたものです。

最近も、生成AIに対して、「人間はこれからどのような仕事をしていくことになるのか?」という議論が展開されることも多いですが、そうした議論に通づるところもある論考です。

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2、広告業界で学んだロジックではなく人の感情を動かすということ

ここまでのキャリアも研究、コンサル、本の出版など様々なことをされていますが、その後は広告業界とまた違った経験をされていますよね。どんなきっかけがあったんでしょうか?

これもまた、私の業務外での挑戦の一つとして、コンサル転職希望者向けの社会人コンサルブートキャンプを運営していました。この時に転職先である広告代理店役員の方から声をかけられて参加しました。

正直、当時は広告業界のこともあまり知らず入社しました。今思うと華々しくて、遊び好きな人が多いイメージなので、全く自分とは合っていませんでしたね。選考時も他の候補者は、高級バックやジュエリーのブランド、マーケティングの話をしている中で、蚊取り線香のキンチョーが伝染病の多い国に展開したビジネス戦略の話だとかをしていたのを覚えています(笑)

ただ、広告業界の扱うブランド・マーケティングの分野はロジカルとは対極でありつつも、大衆を操作できる凄いものであるというイメージを持っていました。私はどちらかというと人より感受性が低い方の人間であると自覚しているので、人の感情が何なのか?人の感情はどういう仕組みで動いているのか?というのは大学時代から興味があり、よくわからないながら転職を決めました。

その広告代理店自体は数万人の社員がいますが、自分が所属していたのは、その中の40人の少数のコンサル部隊です。いざ入社すると、やっぱり自分は異質な存在だったように思います。

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基本的にお客様は本部長、取締役、社長や会長になることが多く、圧倒的な能力と個性を持ったマネージャー陣がチームでの裁量を持っているために、師匠に弟子入りして学ぶ子弟制の様な職場でした。

皆さんが知っているような大手消費財のマーケティング、地方テレビ番組の企画、製薬会社のグローバルのブランドコンセプト策定 等、新卒の時は味わえなかったスケール感の大きいことに一気に取り組めるようになりました。新卒時の会社は、プロジェクト体制の分業が進みすぎていて、全体としては大きいプロジェクトであっても形式的な動きしかできなかったりしていたので、「面白さ」という点でもより良い経験ができたと思います。

プロジェクト内容に幅がある一方、やはり感性や情緒が主戦場になって、世の中のファッション・流行りものを本当に好きでやっている人達の中で、自分が真正面から戦うのは厳しいとも感じました。そんな中で自分が行き着いた領域は、ブランド・マーケティングといった感覚的に意思決定されがちな分野をデータでゴリゴリ分析して、市場ポテンシャルや施策の影響予測、消費者の反応 等の客観的事実でチームをサポートする立場でした。2年ほど働く中で自分の強みの活かし方を模索し、さらに自分に合った形で強みを伸ばせる場所への転職を検討するようになりました。

丁度、東大の物理出身で理系研究者を目指していた知り合いの方が立ち上げた会社から声がかかり、創業時はある程度理念的には方向性が合っていそうだったので入社することになりました。データサイエンティスト向けのコンペの開催、DX人材のマッチングなどをしている会社です。データサイエンティスト/研究者のように全く領域の違う人々を繋げること、その中でプロジェクトをすることに楽しみを覚えました。 その後、会社の方向転換もあって業態も変わっていき、専門性の高い尖った人材との協働機会も減っていく中で退屈さを感じていたところ、CEOの小林さんから声をかけて頂いたのがMETRIKAと出会えたきっかけです。澤村さんや増田さんなどの各領域で成果を挙げてきた方々に出会えた他、様々な領域で尖った人材との共創提案やプロジェクトを通じて、METRIKAでできることのポテンシャルをより一層感じ、のめり込んでいきました。

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3、METRIKAでの役割と今後成し遂げたいこと

幅広いキャリアで様々なご経験を積まれてきたんですね。北岡さんの現在のMETRIKAでの役割や今後成し遂げたいことについて教えてください。

役割としてはなんでも屋ですかね(笑)、悪く言うと器用貧乏でもあるなと思いますが、統計・データ周り、広告周り、ビジネス周り、ブランド周り、色々広くやってきたがゆえに、データやビジネス、デザイン、ある程度の範囲では穴を埋められる存在だと思っています。

データ分析ができ、かつ違う分野も理解ができる、その間の橋渡しが自分に求められているんだと使命感を感じています。例えば、とある部品メーカーさんのプロジェクトでは、目下求められていることとしては細かいデータフローの業務改善が強かったりするんですよね。でもその一方で、その会社はすでに業界トップクラスの取り組みができていて競合企業も多様な領域に着手できている中で、本当に取り入れるべきは社会トレンドやこれまでの会社の変遷を踏まえて、その会社として当該領域でどうビジョンを持つのか?という話だったりします。この両者を繋げてプロジェクトを成功に導くために自分の役割が必要なのだと感じています。

METRIKAの魅力は、自分が知らない分野のエキスパートとともに働くことができる点です。ある特定の分野に秀でた方がとても多いので、うまく組み合わせて、それぞれの人が持っている良さをうまく橋渡しし、新しい良さを生み出すことができる、そんな関わり方もできます。

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対クライアントへの価値提供でいうと、正しいことを言うだけでなく、遊びや寄り道の要素も入れながら顧客自身が心から解決したいと思える課題の解決に伴走するパートナーとなりたいです。

コンサル業界にいたときに感じたのですが、「社長がこうだから。本部長がこうだから。」と、本人の意思と反していても、「サラリーマンだからね」と諦めている方を沢山見てきました。また、そういう方々に御用聞きで無難な他社事例を提案しているコンサル会社の方も沢山見てきました。それだと、お互い型にはまっていることをただやるだけになってしまうし、嫌々仕事してつまらないと思うんですね、さらにそれって組織の中に無理してやらなきゃいけない雰囲気を伝番させてしまうじゃないですか。で、本質的にやるべきでないことに会社の貴重なお金が流れていったりする。

なので、クライアントが解決すべき課題に対して言いづらいこともしっかり言う。プロジェクトとして価値につながるのであるなら、憎まれ役もお調子物も買って出る。そんな姿勢で挑み続けたいですね。

正しい事、役員/お客さんにただ聞こえの良いことを伝えるだけではなくて、ちゃんと企業の課題と向き合う、それだけでなくプロジェクトに遊びの要素を入れることで、関わってくれた方々も楽しく刺激的でいられて、馬鹿真面目にプロジェクトを進めていた場合には思いもしなかった結果を得られる、そして関わってくれた全員の幸福度が上がっていく、大変かもしれないですがそんな仕事をこれからもし続けていきたいです。

北岡 拓也
北岡 拓也
​​名古屋大学理学研究科卒業後、外資系総合ファーム、国内戦略系デザインファームの後、コンサルタント職マネージャー、AI・機械学習領域のオンラインイベント事業のマネージャー職を経てMETRIKAに参画。 自動車 / 日用品 / 製薬 / 家電 / アパレル業界を経験し、データ分析 × クリエイティブ を基軸とした、企業 / 事業のトップライン伸長領域の事業推進に強みを持つ。 直近では大手生命保険会社におけるデジタルマーケティング、科学的な営業行動管理、タレントマネジメント、モバイル端末のデータ利活用、および活用を見据えたデータメッシュの全体設計と浸透までの全体ディレクションに従事。 傍ら、外資系大手SaaS企業コンサルティング部門を含む法人向けに、提案資料作成講座、デザイン思考による事業創造セミナーの講師を担当。